EvernoteのAI関連機能(検索編)

Evernoteは、文書とファイルが混在する情報の一括保管、スクリーンショットなどの画像保管、Webクリッピングによるサイト・YouTube動画保管にしか使用していないが、強力な検索機能があるために使用を継続している。
サブスク料金の値上げの時期にAI導入という発表があり、私の使い方には関係がないと思い注目してこなかったが、大分時間も経過したので、AI関連を含む新機能の概略を調査した。その結果、検索機能について知らないことも多かったので、今回は、検索機能(AI検索機能を含む)の調査結果を主に紹介する。

まず、2025年に発表された新機能の全体について概略を紹介する。

(注)本記事の内容は正確性を保証するものではない。

Perplexity Proの回答

2025年に発表されたEvernoteの主な新機能は、AI技術の全面導入と生産性向上に特化したアップデートが特徴です。ones+2

目次

主な新機能一覧

  • 高度なAIアシスタント搭載
    • Evernote独自のAIアシスタントが導入され、メモ作成やタスク整理、アイデア展開サポートが可能になりました。narekan+1
    • 会議メモから自動でToDoリスト生成や、関連ノートの自動提案機能も追加されています。ones
  • AI検索・AI編集(旧AIノートクリーンアップ)
    • ChatGPTのような自然言語での質問対応型「AI検索」、要約・誤字修正・文体変更・翻訳などができる「AI編集」が提供されています。stock-app+1
  • 音声・動画・画像のAI文字起こし
    • 会議や講義の録音データや、画像・手書き文字、動画などをAIで高精度にテキスト化できる「AIトランスクライブ」機能が新搭載。kaden-box+2
    • 話者識別、感情分析、重要ポイントの自動ハイライトも利用可能です。ones
  • AI図表作成・AIコンテンツ検出
    • 指示に従ってフローチャートやマインドマップなどの図表を自動生成できます。narekan
    • 資料やテキストがAI生成かどうかを自動判別できるコンテンツ検出も可能です。narekan
  • リアルタイムコラボレーション・AR統合
    • 他ユーザーとの同時編集や、拡張現実(AR)を活用した新しいメモ取り体験も注目の機能です。ones

そのほかの改善点

  • ユーザーインターフェースの刷新やカレンダー連携の強化evernote+1
  • 画像・PDFファイルへの直接注釈、外部メールとの連携強化stock-app
  • AI関連機能の追加に伴う利用料金の改定biz.moneyforward

2025年のアップデートで、EvernoteはAI活用と利便性の両立を重視し、個人・チーム双方の生産性向上に対応した総合ノートサービスとして進化しています。biz.moneyforward+2​​

以降、検索機能について深掘りする。
AI(Perplexity Pro や GPT 5 Thinking)の回答に、関連図や補足説明を追加した。

AI検索

ChatGPTのような自然言語での質問対応型「AI検索」。stock-app+1

もともと、PDFファイルや画像内の文字列も自動的に検索対象となる点が気に入っていたが、AI検索というのを試してみた。

1. 「標準検索」画面
(検索履歴が表示されている)
2. 「AI検索」画面
(自然言語で質問できる)
3. 質問文例1と検索結果
4. 質問文例1で抽出されたノートのPDFの一部
文字は画像としてPDFに含まれている
5. 文字列が埋め込まれたPDFであれば
「通常検索」でもヒットしハイライトされる
6. 電子メールアドレスを含むノートも検索可能

AI検索と従来の検索の違いと精度の比較

Evernote 2025のAI検索は、従来のキーワード検索とは根本的な仕組みと精度が異なります。narekan+4

仕組みの違い

  • 従来の検索(キーワード検索)
    • 指定した単語やフレーズがノート内に含まれているかどうかでマッチさせる方式です。yokotashurin+1
    • 正確な一致や部分一致で結果を抽出し、タグやフィルターに依存します。evernote
    • 言い換えや曖昧な表現には対応できません。actionbridge
  • AI検索(セマンティック検索)
    • ユーザーの「質問の意味」を理解し、文脈や内容の関連性をもとにノートを抽出します。mashdigi+4
    • 口語や曖昧表現、言い換えでも目的のノートを発見できます。narekan+1
    • 検索スキル不要で、質問形式でチャットのように検索が可能です。evernote+1

精度と使い勝手の比較

比較項目従来の検索AI検索
一致の基準キーワード意味・関連性
言い換え対応弱い強い
文脈理解不可可能
検索スキル必要(タグ・ブール等)不要(自然言語でOK)
検索精度単語一致で安定意味ベースで柔軟
(=誤ヒットも一部あり)

(補足)結構多い印象
処理速度高速やや重い(ベクトル処理)
利用シーン正確な文字列検索柔軟な質問、曖昧表現
  • 従来の検索は「確実な一致」に強く、高速ですが、複雑な情報や表現には弱いです。yokotashurin+1
  • AI検索は「意味や文脈理解」を活かした高度な検索が可能で、欲しい答えを的確な形で抽出します。
    一方で、ごく一部「関連性の薄いノート」が混じることもありますが、検索漏れは大幅に減ります。actionbridge+4

AI検索は大量のノートに埋もれがちな情報を、直感的かつ効率的に発見できる進化形となっています。
Evernote 2025のAI検索は、従来のキーワード検索と比べて「質問内容を意味で理解し、関連するノートを抽出できる」という点が大きな特徴です。mashdigi+4

検索方式の違い

  • 従来の検索は、キーワードそのものがノート内に「含まれているか」でマッチします。
    タグやフィルター設定に依存し、検索語と一致しない言い回しには対応できません。yokotashurin+1
  • AI検索(セマンティック検索)は、入力された質問や検索語の「意味」を解析し、表現の揺れや言い換えでも文脈に沿った情報を発見できます。narekan+4

精度・実用性の比較

比較項目従来型検索AI検索
一致判定キーワード一致意味・文脈の類似度
言い換え/表現揺れ不得意得意
スピード高速やや遅い(高次元処理)
検索漏れ起こりやすい起こりにくい
誤ヒット少ない(確実性重視)稀に存在(関連性優先)

(補足)結構多い印象
検索スキルタグ・ブール式等が重要自然言語質問だけでOK

AI検索は、従来型よりも柔軟で検索漏れを減らし、ノートが増えるほど真価を発揮します。
一方、厳密な一致が必要な場面では従来型が有効です。evernote+4

コアノートプロパティ修飾子、属性修飾子、高度なコンテンツ修飾子

Evernoteの下記3つの検索に使用する修飾子について調べてください。

コアノートプロパティ修飾子は、タグ (tag:work)、タイトル (intitle:budget)、添付ファイル (resource:application/pdf) など、ノートの構成方法やノートに含まれる内容に基づいてフィルター処理します。

属性修飾子は、メモの作成に使用されたアプリ (source:mobile.ios)、作成者の名前 (author:alex)、リマインダーのステータス (reminderTime:day) などの組み込みメモメタデータを対象とします。

高度なコンテンツ修飾子を使用すると、チェックボックス (todo:true) や暗号化されたテキスト (encryption:) を含むノートを検索するなど、ノートの構造内を検索できます。

GPT 5 Thinkingの回答

了解です。Evernoteの検索構文から、ご指定の3カテゴリ(コアノートプロパティ/属性/高度なコンテンツ)に属する代表的な修飾子を、用途と例つきでまとめました。

1) コアノートプロパティ修飾子(ノートの構成や含まれる内容で絞り込み)

修飾子目的
tag:特定のタグを持つノートtag:work
(タグ work が付いたノート) (help.evernote.com)
-tag:特定タグを除外-tag:archive
archive タグなし) (help.evernote.com)
intitle:タイトル内を検索intitle:budget
(タイトルに budget) (help.evernote.com)
resource:添付種別で検索(MIME)resource:application/pdf
(PDFを含む)

resource:image/jpeg
(JPEG画像を含む)


(help.evernote.com)
created:作成日で絞り込みcreated:20250101(2025-01-01以降に作成)

created:day-2(直近2日) (help.evernote.com)
updated:更新日で絞り込みupdated:week-1
(直近1週間で更新) (help.evernote.com)

補足:any: を付けると OR検索(いずれか一致)になります。
例:any: recipe dessert。通常は AND(すべて一致)。(help.evernote.com)

2) 属性修飾子(組み込みメタデータで絞り込み)

修飾子目的
source:作成元アプリや取り込み経路source:mobile.ios
iOSアプリで作成

source:web.clip
Web クリッパー

source:mail.smtp
メール経由

(help.evernote.com)
author:作成者名(共有ノート等)author:alex
(作成者が alex) (help.evernote.com)
reminderTime:リマインダー時刻で絞り込みreminderTime:day
今日以降のリマインダー)

reminderTime:day -reminderTime:day+7今後7日
(Evernote User Forum)

参考:リマインダーはノート属性として reminderTime(UNIX ms)に保持されます。(dev.evernote.com)

3) 高度なコンテンツ修飾子(ノート構造の中身で検索)

修飾子目的
todo:チェックボックスの有無・状態todo:trueチェック済あり

todo:false未チェックあり

todo:*
チェックボックスを含む
 ※オフライン不可

(help.evernote.com)
encryption:暗号化テキストを含むノートencryption:
(値不要/オフライン不可)

(help.evernote.com)
contains:含まれる要素の種類で検索contains:filePdfPDF

contains:taskNotCompleted未完了タスク

contains:enCodeblock
コードブロック) など

URL・画像・電話番号
電子メールアドレス等も可
(ただしノイズも多い)
(オフライン不可)

(help.evernote.com)

併用テクニック(短く)

  • 否定(除外):語や修飾子の前に - を付与(例:-tag:completed-draft)。(help.evernote.com)
  • ブール演算AND / OR / NOT / ( ) が利用可。大文字必須、評価順は ( ) → NOT → AND → OR。(help.evernote.com)
  • 前方一致:語尾に *(例:meet* → meeting/meetings…)。大文字小文字は無視。(help.evernote.com)

そのまま使える検索例

  • 「2025年に更新された、タグwork付き、PDFあり、未チェック項目があるノート」

    tag:work updated:20250101 resource:application/pdf todo:false (help.evernote.com)
  • 「Web クリッパー由来で、タイトルに‘請求書’、今後7日以内のリマインダー」

    source:web.clip intitle:請求書 reminderTime:day -reminderTime:day+7 (help.evernote.com)

公式ドキュメント

  • 使い方の総覧と一覧表:「高度な検索構文」 (help.evernote.com)
  • 仕様リファレンス(開発者向け/検索文法の詳細):Search Grammar (dev.evernote.com)

中間一致は使えるのか?

GPT 5 Thinkingの回答

短く結論 → 基本検索では“中間一致(語の途中一致)・後方一致は使えません。

Evernoteの検索は「単語の先頭が一致」するものだけがヒットします。
ワイルドカード(*)も末尾にだけ付けられ、writ* はOKですが *ritew*te は不可です。(help.evernote.com)

  • noteOK: “notebook”“notes” などはヒット
  • noteNG: “evernote” のように途中に含まれるだけの単語はヒットしない
    (=「部分一致は語頭のみ」)(help.evernote.com)

ただし(紛れやすい点)

  • ノート内検索(⌘/Ctrl+F)はクライアント内のテキスト検索なので中間一致します
    全ノート横断の検索文法とは別物です。(Evernote User Forum)
  • タグ候補の絞り込みは、モバイル等のUIでタグ名の中間一致が効くことがありますが、これは候補リストのフィルタ動作であって、検索クエリの文法(tag:*foo* など)ではありません。(Evernote User Forum)

実用的な回避策

  1. 語頭を使うinvoice* 7488* のように、分かる範囲の“先頭”で分割してAND検索する。(help.evernote.com)
  2. ノート内検索で探す候補ノートまで絞ったら、開いて ⌘/Ctrl+F で途中文字列をハイライト。(Evernote User Forum)
  3. タグやタイトルにキーを追加:後で探しやすい“語頭キー”を付ける(例:inv-074886 をタイトル先頭やタグに)。(help.evernote.com)

AI検索で抽出できて標準検索では抽出できないパターンは?

Evernoteの検索で、標準検索では抽出できないが、AI検索では抽出できるというパターンを探してください。また、調査するだけでなく、どのようなパターンか検討してください

GPT 5 Thinkingの回答

承知しました。結論から言うと、Evernoteの“標準検索(高度な検索構文)では拾いにくい/不可能だが、AI検索(Semantic Search / AI-Powered Search)なら拾える可能性が高いパターンは、
主に「意味理解・表記揺れ耐性・要約/抽出」にまたがります。

下に“起こりがちな具体例”と“なぜAIなら行けるのか”をまとめます。

1) 同義語・言い換え・上位下位語

  • 例:ノート本文は「請求書を発行した」。検索語は「作成した請求書」
    → 標準検索は語の一致前提(先頭一致+AND/OR組み合わせ)。同義語までは追えない。(help.evernote.com)
    AI検索は“意味類似”でヒットしやすい(Semantic Search)。(help.evernote.com)

2) 自然文の質問→答えの抽出

  • 例:「昨日の会議のTo-Doは?」「来週までのやることを一覧で」
    → 標準検索は「intitle:会議 todo:true updated:day-1」等でノートは出せるが、“答えの抜き出し”は不可。(help.evernote.com)
    AI検索はノート横断で“答え(項目)”を直接要約・抽出。(evernote.com)

3) 表記揺れ・言語形態の違い(日本語含む)

  • 例:「見積」「御見積」「見積り」「見積もり」「ミツモリ」
    → 標準は語頭一致+厳密なトークン一致寄りで、揺れを網羅しにくい。特に語中一致不可。(dev.evernote.com)
    AI検索は“意味”で近い候補を返しやすい。(help.evernote.com)

4) 誤字・タイプミス・半角全角・ハイフン等の微差

  • 例:「Acme-Corp」「Acme Corp」「acmecorp」「AcmeCorp」
    → 標準は完全一致寄り。acme*など語頭を合わせないと漏れやすい。(dev.evernote.com)
    AI検索はスペル揺れに比較的強い(セマンティック類似)。(help.evernote.com)

5) 複合語・区切り記号の差(アンダースコア等)

  • 例:ノート本文に「john_smith」。検索語は「smith」。
    → 標準だと「_」でトークンが割れずヒットしない事例あり。(Evernote User Forum)
    AI検索は文字区切りに依存しにくく、関連として見つけやすい。(help.evernote.com)

6) 概念検索(“具体語が書いてない”けど関連が深い)

  • 例:「旅費精算の流れがわかるノート」
    → 標準はキーワード列挙が必要(“旅費”“精算”“フロー”…)。漏れるとヒットしない。(help.evernote.com)
    AI検索は概念ベースで近い内容を返す(Semantic Search)。(help.evernote.com)

7) 複数ノートに散在する事実の横断要約

  • 例:「年間の請求合計はいくら?」
    → 標準はノート単位の列挙まで。合計の計算/集約は不可。(help.evernote.com)
    AI検索は関連ノートからポイントを抜き出し“まとめ”を返せる(数値の厳密計算は別として、概略集約は可)。(evernote.com)

8) 添付・OCRテキストの意味的抽出

  • 例:スキャンPDFに「配送リードタイム」が図表だけで記載。
    → 標準はOCR化テキストが正確に埋まっていないと拾いづらい/用語ぶれに弱い。(help.evernote.com)
    AI検索はOCR済みテキストや本文から“文脈”で該当箇所を抽出しやすい。(help.evernote.com)

9) 逆に、標準検索が有利なパターン

  • 厳密フィルタtag:, intitle:, resource:application/pdf, updated:20250101 など構文で「機械的に」絞る時は速くて再現性が高い。(help.evernote.com)
  • 大量ヒットの精密分割any:/ブール/日付範囲の組合せで結果集合を確定したい時。(help.evernote.com)
  • 中間一致が不要で、語頭が特定できる固有名詞検索。(dev.evernote.com)

10) 現実的な“使い分け”指針

  1. まず標準検索で集合を確定→AIで要約/抽出
     例:notebook:経理 updated:month-1 tag:請求書 で母集団を絞り、AIに「未支払の項目を一覧化して」と聞く。(help.evernote.com)
  2. 語頭やキーワードが曖昧/表記が揺れる→AI検索
     例:「“会食費の精算フロー”のノートを探して」と自然文で投げる。(help.evernote.com)
  3. “答え”が欲しい時はAI“正確な集合”が欲しい時は標準
     —AIは要約・抽出に強い/標準は厳密フィルタに強い。(evernote.com)

11) 補足(最新動向)

  • EvernoteはSemantic Search/AI Assistantを公式に案内しており、自然文での検索・要約・外部探索に対応してきています(v11の大型アップデートの文脈)。
    機能は今後も拡充予定。(help.evernote.com)

Evernoteの検索機能について私が知らなかったことをまとめると次のようになる。

・ノート内検索では、中間一致が使えてハイライトされるが、全ノート横断の検索では中間位置が使えないこと
・多くの修飾子により、多彩な検索(取り込み経路や添付ファイル種類の修飾子を活用した検索)ができること
・AI検索はノイズも多く、なぜ、このノートが抽出されたのかわからない場合も多い。(安全側とも言える)

 iPhoneで、共有シートを利用したり、特定の電子メールアドレスを利用したり、Webクリッパーを利用したりして、Evernoteに送ることも多いので、検索に活用できそう。また、「PDFファイルを含む」という修飾子も有効。

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