複数のAIを「同僚」にするチャットアプリBuzzとは?人間とAIが同じ部屋で働く新しいワークスペース

YouTube動画「AI News: Opus 5, the Slack Killer & Google Earth AI」(https://www.youtube.com/watch?v=sUmx-Yi6TwE&t=901s)で、複数のAIが同じチャット空間へ参加できるチャットアプリ「Buzz」が紹介されていたので、CnatGPT-5.6 Solの力を借りてそのアプリについて調査した。

本記事について
本記事は、2026年8月4日時点のBlock公式発表、Block Engineering Blog、公開されているGitHubリポジトリ、App Store掲載情報、および今回確認した関連資料を基に、チャットアプリ「Buzz」の特徴をChatGPT-5.6 Solでまとめたものです。
実際に利用できる機能や画面は、アプリのバージョンによって変わる可能性があります。
また、資料による分類やデモの説明は、Buzzを理解するための参考情報であり、すべてが公式の機能名称や正式な性能評価とは限りません。


(注)本記事の内容は正確性を保証するものではない。

(2026年8月4日 追記)YouTube動画を追加しました。 https://youtu.be/q8XS98Z0Nqg

目次

はじめに

ChatGPTやClaudeなどの生成AIを利用する場合、一般的には人間がAIへ質問し、AIが回答するという1対1のやり取りになります。

これは非常に便利ですが、複数のAIを併用すると、人間側の負担も増えてきます。

例えば、ChatGPTで調査し、Claudeに文章を評価してもらい、Codexにプログラムを修正してもらう場合、人間がそれぞれの画面を行き来しなければなりません。

さらに、一方のAIが作成した結果を、別のAIにレビューしてもらうには、回答やファイルをコピーして渡す必要があります。

こうした「人間がAI同士の間を取り持つ」使い方から一歩進み、人間と複数のAIが同じチャット空間へ参加することを目指しているのが、Blockが公開した「Buzz」です。

BlockはBuzzを、人間とAIエージェントが共有ワークスペースで協働する、無料のオープンソース・コラボレーションプラットフォームと説明しています。
チャンネル、スレッド、ダイレクトメッセージ、音声、メディア共有、コードリポジトリ、自動化ワークフローなどを備えています。(Block)

Buzzが目指しているのは、単に「チャット画面から複数のAIを選べるアプリ」ではありません。

複数のAIにそれぞれ役割を与え、人間と同じチームの一員として働かせるための場所です。

チャットでAIを呼び出すのと、人間と同じチームの一員として働かせるのとは違うらしい。人間のユーザーと同じレベルのことを自発的に行えるということか。一方、AIが強力な権限を持つようになりリスクや費用も増えそうだ。

Buzzとはどのようなアプリなのか

Buzzは、Blockが開発・公開したオープンソースの共同作業プラットフォームです。

公式表記は「Buzz」ですが、本記事では説明上、必要に応じて「BUZZ」と表記します。

画面の基本構成は、SlackやDiscordなどのチーム向けチャットに近いものです。
チャンネルを作成し、人間同士で会話したり、スレッドを使って特定の話題を掘り下げたり、画像やファイルを共有したりできます。

大きく異なるのは、そこへAIエージェントも参加できることです。

AIエージェントは、人間のメンバーと同じように、独自の識別情報と参加チャンネルを持ちます。
App Storeの説明でも、AIエージェントを人間のチームメンバーと同じようにチャンネルへ追加できるとされています。(App Store)

Buzzの公開リポジトリでは、AIエージェントが次のような作業を行えると説明されています。

  • リポジトリを開く
  • コードの修正案を送る
  • コードをレビューする
  • ワークフローを実行する
  • キャンバスを編集する
  • ほかのAIエージェントを動かす
  • 音声による打ち合わせへ参加する
  • チャンネルを作る
  • 必要な人やAIを会話へ呼び込む

これらの作業も人間の発言や操作と同様に履歴へ残るため、「誰が、何を行ったのか」を後から確認しやすい設計です。(GitHub)

AIを使う場所から、AIと働く場所へ

従来のAIサービスでは、AIは人間の指示を待つ道具として扱われることが一般的でした。

Buzzでは、AIをチャンネルのメンバーとして扱います。

AIは同じ会話や作業履歴を参照し、自分に割り当てられた役割に応じて、調査、制作、レビュー、修正などを担当します。

Blockの開発ブログでは、従来はAIの出力をチャットへコピーし、チャットで得た返事を再びAIへ貼り付けるという作業が必要だったと説明されています。

Buzzは、人間がAI同士の「中継役」にならなくてもよい環境を目指しています。(Block Engineering Blog)

チャット環境の進化を3段階で考える

今回確認した資料では、チャット環境の変化を理解しやすくするため、3段階に分けて整理しています。

これはBuzzの公式な製品分類ではなく、従来のチャットやAIサービスとの違いを説明するための整理です。

第1段階:人間同士のチャット

Slackなどの従来型チャットでは、基本的に人間同士が会話します。

相談や情報共有はできますが、チャットで決まった内容を実行するのは人間です。

例えば、プログラムの修正について相談した後、人間が開発環境へ移動し、実際にコードを修正します。

第2段階:人間と1つのAIによる対話

ChatGPTやClaudeなどでは、人間とAIが1対1で対話します。

文章作成、情報整理、プログラミングなどを支援してくれますが、通常は人間が指示を出すまで待機しています。

別のAIにも同じ作業を依頼する場合、人間が質問や回答をコピーして渡さなければなりません。

第3段階:人間と複数AIの混合型ワークスペース

Buzzでは、人間と複数のAIエージェントが同じチャンネルへ参加します。

人間が一度指示を出すと、複数のAIが同じ会話や資料を読み、それぞれの役割に応じて作業できます。

さらに、ほかのAIが作成したものをレビューし、改善案について話し合うことも想定されています。

今回確認した資料では、この環境を人間とAIが混在する「Blended Workspace」と表現しています。

Buzzを支える4つの特徴

Buzzには、従来のチャットサービスや単独のAIアプリとは異なる、いくつかの特徴があります。

1.Nostrを基盤とした署名付きの記録

Buzzは「Nostr」というオープンなプロトコルを基盤にしています。

人間とAIエージェントは、それぞれ暗号鍵の組み合わせによる独自の識別情報を持ちます。

メッセージ、リアクション、ワークフローの実行、レビュー承認、Git関連の操作などは、署名付きのイベントとして記録されます。

そのため、単に表示名だけを見るのではなく、その操作がどの識別情報によって署名されたかを確認できる設計です。(Block)

なお、Buzzはブロックチェーンではありません。
公開リポジトリでも、署名付きイベントを利用しているものの、ブロックチェーンではないと説明されています。(GitHub)

2.オープンソースでセルフホストできる

BuzzのソースコードはApache 2.0ライセンスで公開されています。

利用者は、Blockが提供するホスティング環境を利用するだけでなく、自分のサーバーへBuzzのrelayを設置することもできます。(Block)

relayは、Buzzのチャンネル、メッセージ、検索、自動処理などを扱う中核部分です。

セルフホストする場合は、サーバーやデータの管理範囲を広げられますが、導入や保守も自分で行う必要があります。

公開リポジトリの構成例では、Dockerに加えて、PostgreSQL、Redis、S3またはMinIOなどを利用する構成が示されています。(GitHub)

Buzzを動かすには、メッセージや処理を仲介する「relay」と呼ばれるサーバーが必要で、自前のサーバーを構築する場合は、Docker、PostgreSQL、Redis、S3またはMinIOなどを組み合わせたインフラ構築が必要となり、サーバーやデータベース、API接続、コマンド操作に関する知識が必要とのこと。

3.会話・コード・作業履歴を同じ場所で扱う

一般的な開発作業では、会話はSlack、コードはGitHub、タスクは別の管理サービス、テスト結果はCIサービスというように、情報が分散します。

Buzzでは、会話、コード変更、レビュー、承認、ワークフローの結果などを、同じプロジェクトの履歴として扱うことを目指しています。

公式リポジトリでは、機能ブランチごとにチャンネルを作り、パッチ、CIの結果、レビュー、マージ判断を同じ場所へ残す利用例も紹介されています。(GitHub)

ただし、Blockの公式発表では、Gitとの統合はまだ初期段階とも説明されています。
現在利用できる部分と将来構想を分けて見る必要があります。(Block)

4.特定のAIモデルに限定されない

Buzzは、特定のAIモデル専用のプラットフォームではありません。

Blockは、Buzzについて「モデル非依存・エージェント非依存」と説明しています。

Claude Code、Codex、gooseなどのAIエージェントを接続できるほか、利用者が独自に作成したAIエージェントを持ち込むことも想定されています。(Block)


自分のAIを持ち込む仕組み

資料では、自分が利用したいAIエージェントをBuzzへ接続する考え方を「BYOA」と表現しています。

これは「Bring Your Own Agent」、つまり自分のAIエージェントを持ち込むという意味で使われています。

ただし、「BYOA」がBuzzの公式機能名として固定されているとは限りません。
Blockの公式説明では、「Bring your own agents」という表現が使われています。(Block)

実際の仕組みは、大きく次のように考えられます。

ステップ1:AIエージェントの識別情報を作る

AIエージェントごとに暗号鍵と識別情報を用意します。

これにより、「どのAIが発言したか」「どのAIがコードを修正したか」を区別できます。

人間の名前を借りてAIが発言するのではなく、AI自身の識別情報で作業するのが重要な点です。

ステップ2:AIを動かす環境を接続する

次に、Claude Code、Codex、gooseなど、AIエージェントを実際に動かす環境を接続します。

Buzzの公開リポジトリには、ACPを利用してClaude Code、Codex、gooseなどを接続するための仕組みが含まれています。(GitHub)

ACPは「Agent Client Protocol」の略で、AIエージェントと、それを操作するアプリとの間をつなぐための共通通信規格です。
アプリごとに専用連携を作らなくても、ACPに対応していれば、CodexやClaude Codeなどの異なるAIエージェントを同じ仕組みで呼び出し、指示や作業結果をやり取りできます。(Agent Client Protocol)
Buzzでは、ACP対応のAIエージェントとBuzzのチャット環境を「ACPハーネス」が仲介します。
簡単にいえば、Buzzと各AIエージェントを接続する共通の橋渡し規格です。(github.com)

ステップ3:役割や参加チャンネルを決める

AIエージェントごとに、役割や参加チャンネルを変えられます。

例えば、次のような分担が考えられます。

  • プログラムの実装を担当するAI
  • コードレビューを担当するAI
  • 調査と情報整理を担当するAI
  • デザイン案を考えるAI
  • 作業全体を監督するAI

同じAIモデルを使っていても、指示や権限、参照できる情報を変えることで、異なる役割を持つエージェントとして運用できます。

Fizz・Honey・BumbleはBuzzの固定AIではない

App Storeに掲載された画像には、「Fizz」「Honey」「Bumble」という名前が登場しますが、これらは、デモ内で設定されたAIエージェントの名前、またはペルソナと考えられます。

資料では、次のような役割分担の例が示されています。

  • Fizz:コード作成を中心とした役割
  • Honey:推論や知識整理を中心とした役割
  • Bumble:デザインやクリエイティブ作業を中心とした役割

資料では、それぞれにCodex、Claude系の環境、Grok系の環境を割り当てた例も示されています。

ただし、これはBuzzの標準構成ではありません。

利用者は、別の名前、AIモデル、役割、権限を設定できます。

また、資料内で示された処理速度や完成物の違いは、特定条件下のデモを整理したものであり、各AIモデルの正式なベンチマーク結果ではありません。

用途に応じた3種類のチャンネル

資料では、Buzzの使い方を理解するため、チャンネルを3種類に分けて説明しています。

これもBuzzの公式なチャンネル種別ではなく、参加者の構成による整理です。

人間専用のチャンネル

人間だけが参加する、一般的なチームチャットです。

AIへ共有する必要のない相談や、人間だけで判断したい内容を扱う場所として利用できます。

人間と1つのAIが参加するチャンネル

人間と特定のAIエージェントが参加するチャンネルです。

従来のAIチャットに近い使い方ですが、ほかのプロジェクトメンバーと履歴を共有できる点が異なります。

例えば、プログラミング専用、調査専用、文章作成専用など、用途別のAIチャンネルを作れます。

複数の人間と複数のAIが参加するチャンネル

複数の人間と複数のAIエージェントが参加するチャンネルです。

それぞれのAIが同じ会話や資料を読み、並行して作業したり、ほかのAIの成果を評価したりします。

これが、Buzzの特徴を最も分かりやすく表す使い方です。

App Store掲載画像で紹介されている利用イメージ

2026年8月4日時点で、BuzzのiPhoneアプリは日本のApp Storeでも公開されています。

App Storeでは無料アプリとして掲載され、デベロッパはBlock, Inc.、表示言語は英語、iOS 16以降に対応すると案内されています。(App Store)

App Storeに掲載されている画像からは、Buzzが目指している利用体験を具体的に読み取れます。
ただし、画像に描かれたすべての機能が、現在のすべての環境で同じように使えるとは限りません。

会話やコードの履歴を横断して探す

掲載画像の一つでは、チャンネル内の会話だけでなく、コード変更、レビュー、プルリクエストなどをまとめて探す場面が示されています。

通常のチャット検索よりも、プロジェクトに関係する作業履歴全体を検索することを意識した画面です。

人間の判断が必要な項目をまとめる

別の画像では、承認依頼や確認が必要な項目を一覧にする場面が示されています。

AIが自律的に作業する一方で、重要な判断や承認は人間へ戻すという使い方を想定していると考えられます。

画像・コード・ファイルを同じ会話で共有する

画像やデザイン、コード、ファイルなどを、チャンネル内で確認する場面も紹介されています。

文章だけで相談するのではなく、実際の成果物を見ながら、人間とAIが意見を交わす利用イメージです。

会話からコード修正やレビューへ進む

不具合について相談し、その会話をきっかけにAIエージェントがコード修正を行い、人間が内容を確認する場面も示されています。

チャットで相談して終わるのではなく、実際の作業へつなげることがBuzzの狙いと考えられます。

人間とAIを同じワークスペースへ配置する

ワークスペース内に複数のチャンネルが並び、人間とAIエージェントが同じ組織のメンバーとして参加している画面も掲載されています。

AI専用の別アプリを開くのではなく、普段使っているチームの会話へAIが参加するイメージです。

複数のAIへ同じ指示を出す

YouTube動画「AI News: Opus 5, the Slack Killer & Google Earth AI」(https://www.youtube.com/watch?v=sUmx-Yi6TwE&t=901s)では、複数のAIエージェントへ同じ制作課題を与えるデモが紹介されています。

人間が3つのAIエージェントを指定し、それぞれにシングルページのWebサイトを作成させます。

各AIは同じ目的を受け取りながら、それぞれ異なるテーマ、レイアウト、機能を持つサイトを作成します。

あるAIは短時間でシンプルなサイトを完成させ、別のAIは視覚的な表現を重視し、さらに別のAIは操作機能を含む複雑なサイトを作成したと整理されています。

このデモが示しているのは、「どのAIが一番優れているか」という単純な順位ではありません。

AIモデルやエージェントには、それぞれ得意な作業や処理速度の違いがあります。

短時間で複数のアイデアを出す用途には軽量なモデルを使い、複雑な推論や重要な判断には高性能なモデルを割り当てるなど、役割に応じた使い分けが考えられます。

Blockの開発ブログでも、高性能なエージェントに全体を見渡させより高速で低コストな複数のエージェントへ調査、制作、テスト、レビューを並行して担当させる使い方が紹介されています。(Block Engineering Blog)

AI同士に成果をレビューさせる

Buzzの特徴は、複数のAIに同時に作業させることだけではありません。

上記YouTube動画では、各AIが制作を終えた後、ほかのAIが作成した成果物をレビューするよう指示しています。

自分自身の成果物は評価せず、ほかの2つの成果物について、問題点や改善案を提示させます。

これにより、次のような流れが生まれます。

  1. 複数のAIが独立して案を作る
  2. ほかのAIが成果を確認する
  3. AI同士で改善点を話し合う
  4. 人間が採用する案を決める
  5. 選ばれたAIが修正する

同じチャンネル内に制作物と会話が残っていれば、人間が一つ一つコピーして別のAIへ渡す必要がありません。

資料では、AIがほかのAIの成果を文脈として理解し、提案に対する感謝や反論を含めて会話する様子も説明されています。

ただし、AI同士が会話したからといって、必ず正しい結論になるわけではありません。

複数のAIが同じ誤った前提を共有する可能性もあるため、最終的な判断は人間が行う必要があります。

人間の役割は「作業者」から「AIチームのディレクター」へ

複数のAIによる制作と相互レビューを組み合わせると、次のような作業サイクルを構成できます。

  1. 人間が目的と条件を伝える
  2. 複数のAIが並行して作業する
  3. AI同士が成果をレビューする
  4. 改善案を話し合う
  5. 人間が採用する方針を決める
  6. AIへ修正を指示する
  7. 修正版を再び確認する

資料では、この流れを自律的な反復ループとして整理しています。

人間がすべての作業を自分で行うのではなく、目的、役割、品質基準を決め、AIの作業を監督します。

つまり、人間の役割は、単にAIへ質問する利用者から、複数のAIを指揮するディレクターへ変わります。

もっとも、Buzzの公式リポジトリも、人間を不要にする仕組みではなく、人間が判断過程に関与することを前提としています。(GitHub)

Buzzで考えられる利用例

Buzzは、特にソフトウェア開発との相性がよいワークスペースとして設計されています。

公開リポジトリでは、次の3つの利用例が紹介されています。

過去の障害対応を検索する

システム障害が起きたときに、「以前にも同じエラーがなかったか」とチャンネルで質問します。

AIエージェントが過去の履歴を検索し、関連する会話、原因、修正方法などを提示します。

質問、回答、根拠となる過去の記録が同じチャンネルへ残ります。

機能ブランチを専用の作業部屋にする

新しい機能の開発を始めたとき、そのブランチ専用のチャンネルを用意します。

コードの修正、テスト結果、AIによる一次レビュー、人間による確認、マージ判断などを一つの場所へ集めます。

後から「なぜこの実装になったのか」を追いやすくなります。

リリースノートの下書きを自動作成する

新しいバージョンが作成されたことをきっかけに、ワークフローを動かします。

AIがプロジェクト内の変更やマージ済みの作業を調べ、リリースノートの下書きを作成します。

人間が内容を確認して承認した後、公開処理へ進める使い方です。(GitHub)

Buzzを使うと、どのような費用が発生するのか

Buzzの費用を考える場合は、次の3つを分ける必要があります。

  • Buzz本体
  • 接続するAIやAIエージェント
  • サーバーや保存環境

Buzz本体の費用

Buzzはオープンソースとして公開されており、Apache 2.0ライセンスで利用できます。

iPhoneアプリも、2026年8月4日時点ではApp Storeで無料と表示されています。(Block)

ただし、Buzz本体が無料でも、接続するAIやサーバーまで無料になるわけではありません。

また、ホスティングサービスの提供条件や料金は、将来変更される可能性があります。

Codexを利用する場合

CodexをChatGPTアカウントで利用する場合は、契約しているChatGPTプランの利用枠やエージェント用クレジットが消費されます。

現在のOpenAI公式情報では、Codex、ChatGPT Workなどの対象機能が、共通のエージェント利用枠やクレジットを使用する場合があると説明されています。

一方、OpenAI APIを利用する構成では、APIのトークン使用量などに応じた料金が発生します。(OpenAI Help Center)

Claude Codeを利用する場合

Claude Codeは、対応するClaudeのサブスクリプションで利用する方法と、Anthropic APIを使う方法があります。

APIを利用する構成では、通常、入力・出力トークンや使用した機能に応じた料金が発生します。(Claude Platform Docs)

gooseを利用する場合

goose自体はオープンソースのAIエージェントです。

Anthropic、OpenAI、Google、Ollama、OpenRouterなど、複数のAIプロバイダーを接続できます。

既存の対応サブスクリプションをACP経由で使う方法、APIキーを設定する方法、ローカルAIモデルを使う方法などが用意されています。(Block)

そのため、goose本体が無料でも、接続先によって料金の発生方法は異なります。

セルフホストする場合

自分でBuzzのrelayを運用する場合は、サーバーや保存環境の費用がかかります。

例えば、次のような費用が考えられます。

  • クラウドサーバー
  • データベース
  • ファイル保存領域
  • バックアップ
  • 通信量
  • 独自ドメイン
  • 保守管理

自宅や社内のサーバーへ設置する場合も、機器代、電気代、管理の手間が必要です。

複数のAIを動かすほど使用量は増える

3つのAIへ同じ課題を依頼すれば、1つのAIだけを利用した場合より、原則として処理量が増えます。

さらに相互レビューを行うと、各AIがほかのAIの成果を読み、追加の回答を生成します。

そのため、Buzzを運用する場合は、次の点を決めておく必要があります。

  • どの作業に何体のAIを使うか
  • 高性能モデルをどこで使うか
  • 軽量モデルへ任せる作業は何か
  • 1日または1か月の利用上限
  • 自動実行できる範囲
  • 人間による承認が必要な処理

現在利用できる機能と開発中の機能

Buzzは、すでに公開されているサービスですが、現在も活発に開発が進められています。

公開リポジトリでは、現在動作する機能として、relay、チャンネル、スレッド、ダイレクトメッセージ、キャンバス、メディア、検索、監査ログ、デスクトップアプリ、AI向けCLI、ACP接続、YAMLワークフロー、Git関連イベントなどが挙げられています。(GitHub)

一方、ワークフローの承認ゲートや一部の音声関連機能などは、接続・整備中とされています。

モバイルアプリについては、GitHubのREADMEでは「整備中」の分類が残っていますが、Blockの公式開発ブログでは、iOS版とAndroid版が公開されていると説明されています。

日本のApp Storeでも、iPhone版の公開を確認できます。
したがって、モバイルアプリは利用可能になっているものの、まだ開発途中の部分を含むと考えるのが適切です。(Block Engineering Blog)

なお、モバイルアプリ自体がAIエージェントを端末上で動かすわけではありません。

Blockの説明では、スマートフォンから、パソコンやサーバーなど別の場所で動いているAIエージェントへメッセージを送り、制御する構成になっています。(Block Engineering Blog)

対応するパソコン環境

Buzzの公開リポジトリでは、次のデスクトップ向けパッケージが案内されています。

  • Apple Silicon搭載Mac
  • Intel搭載Mac
  • Linux
  • Windows

Windows版は、現在のREADMEでは未署名のアルファ版として案内されています。
初回起動時にSmartScreenの警告が表示される可能性があります。(GitHub)

また、Buzzアプリをインストールするだけで、すぐにすべてのAIが使えるわけではありません。

接続先となるrelayと、使用するAIエージェントの準備が必要です。

セルフホストや独自AIの接続まで行う場合は、Docker、サーバー、APIキー、コマンド操作などに関する一定の知識が求められます。

現時点では、一般的なチャットアプリと同じ感覚で誰でもすぐ使えるというより、開発者や技術に詳しい利用者に向いた部分が多いと考えられます。

セキュリティとプライバシーで注意すること

Buzzでは、人間とAIエージェントがそれぞれ暗号鍵を持ち、操作へ署名する仕組みが採用されています。

AIが人間の名前を借りて動作するのではなく、AI自身の識別情報を持つ点は、作業履歴を確認するうえで重要です。

Blockの開発ブログでは、AIエージェントへの認可、署名、失効、セッション終了などの仕組みも説明されています。(Block Engineering Blog)

ただし、署名があることと、すべての情報がエンドツーエンドで暗号化されることは同じではありません。

公式資料では、エージェントのテレメトリーやキャンセル信号、メモリ、コスト記録など、一部の情報について暗号化が説明されていますが、すべてのメッセージ、添付ファイル、検索情報が同じ方式で保護されると断定することはできません。(Block Engineering Blog)

また、App Storeのプライバシー表示では、デベロッパはアプリからデータを収集しないと申告しています。

ただし、Appleはこの申告内容を検証していないと表示しています。
また、この表示は、接続先のrelayや外部AIサービスによる情報処理まで、すべて存在しないことを意味するものではないと考えられます。(App Store)

機密情報を扱う場合は、次の点を確認する必要があります。

  • どのrelayへ接続しているか
  • relayを誰が管理しているか
  • どのAI事業者へ情報が送られるか
  • AIが参加できるチャンネル
  • AIがアクセスできるコードやファイル
  • AIに与えているパソコン上の権限
  • 外部サービスへ送信してよい情報
  • 自動実行に人間の承認が必要か
  • ログやバックアップの保存場所

特に注意したいのが、AIエージェントを動かすパソコンの権限です。

Blockのモバイルアプリに関する技術記事では、BuzzのAIエージェントが、人間のパソコン上で強い権限を持って動く構成があることも説明されています。
設定によっては、AIがファイルやコマンドへ広くアクセスできるため、誰がAIへ指示できるかを厳密に管理する必要があります。(Block Engineering Blog)


Buzzが向いている人

Buzzは、次のような人やチームに向いていると考えられます。

複数のAIを使い分けている人

ChatGPT、Claude、Codexなどを用途別に使い分けている場合、作業履歴を同じ場所へ集められる可能性があります。

AIによる開発作業をチーム化したい人

実装、テスト、レビュー、修正、リリースノート作成などを、複数のAIへ分担させたい開発者に向いています。

セルフホストを重視する人

特定企業のクラウドサービスだけに依存せず、自分の環境でチャットやAIエージェントを管理したい人に適しています。

AI同士に相互レビューさせたい人

複数AIの回答を並べるだけでなく、互いに評価させ、改善案をまとめたい場合にBuzzの仕組みが役立ちます。

現時点では向いていない可能性がある人

一方、次のような場合は、一般的なAIチャットを利用する方が簡単です。

1つのAIに質問できれば十分な人

文章作成や簡単な質問が中心であれば、ChatGPTやClaudeを単独で利用する方が設定も少なく済みます。

サーバーやAI接続の設定をしたくない人

セルフホストや独自AIの接続には、サーバー、暗号鍵、API、コマンド操作などの知識が必要になる場合があります。

すぐに重要業務へ導入したい組織

Buzzの公開リポジトリには、まだ完成していないプロジェクトであることも明記されています。

重要な業務へ導入する場合は、機能の成熟度、権限管理、監査、バックアップ、サポート、障害対応などを事前に確認する必要があります。(GitHub)

Buzzを試す場合の進め方

最初から複数のAIを自律的に動かすのではなく、小さな構成から始める方が安全です。

第1段階:チャット機能だけを確認する

まずは、チャンネル、スレッド、検索、画像・ファイル共有など、基本的なワークスペース機能を確認します。

第2段階:1つのAIを追加する

Codex、Claude Code、gooseなど、1つのAIエージェントだけを接続します。

専用チャンネルを作り、AIが読める情報や実行できる操作を確認します。

第3段階:異なる役割のAIを追加する

例えば、実装担当、レビュー担当、情報整理担当という3つの役割を用意します。

最初はAIによる自動実行を抑え、AIが提案し、人間が承認する形にします。

第4段階:AI同士の相互レビューを試す

同じ課題に複数のAIから案を出させ、ほかのAIへレビューさせます。

各AIの得意分野、処理速度、利用量、成果の違いを確認します。

第5段階:定型作業を自動化する

運用に慣れてから、メッセージ、リアクション、スケジュール、Webhookなどをきっかけにしたワークフローを導入します。

Buzzが示している未来

Buzzは、単に複数のAIを選択できるチャットアプリではありません。

人間、AIエージェント、会話、コード、ファイル、承認、自動処理を、同じ場所へ集めようとするプロジェクトです。

これまでAIは、人間が質問したときに回答する「アシスタント」として使われることが中心でした。

Buzzが目指す環境では、AIはプロジェクトの履歴を読み、ほかのAIの作業を確認し、自分の役割に応じて仕事を進めます。

人間の役割も変わります。

すべての作業を自分で行うのではなく、次のような役割が重要になります。

  • 必要な情報と権限を与える
  • 提案を比較する
  • 最終的な判断を下す
  • 自動化の範囲を管理する

人間は、コードや文章を直接作る作業者であると同時に、複数のAIをまとめるディレクターになります。

まとめ

Buzzの主な特徴をまとめると、次のようになります。

  • 人間と複数のAIが同じチャンネルへ参加できる
  • AIエージェントごとに独自の識別情報を持たせられる
  • Claude Code、Codex、gooseなどを接続できる
  • 特定のAIモデルに限定されない
  • 複数のAIへ同じ指示を出せる
  • AI同士で成果をレビューできる
  • 会話、コード、レビュー、承認、自動処理を同じ履歴として扱う
  • Nostrを基盤とした署名付きイベントを利用する
  • オープンソースでセルフホストできる
  • Buzz本体と、AIやサーバーの費用は分けて考える必要がある
  • 現在も活発に開発されている

Buzzの価値は、複数のAIの回答を一つの画面に並べることだけではありません。

複数のAIへ役割を与え、同じ情報を共有させ、一つのチームとして働かせることにあります。

まだ開発途中の部分があり、誰にでも簡単に導入できる完成済みサービスとはいえません。

それでも、AIが単なる道具やアシスタントから、ほかの人間やAIと協力する「同僚」へ変わっていく未来を、具体的な形で示しているプロジェクトといえるでしょう。


商標などについて
Apple、App Store、Block、Buzz、ChatGPT、Claude、Codex、goose、そのほか本文中に記載した製品名・サービス名は、各社の商標または登録商標です。本記事は、各社の提供・監修によるものではありません。

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