Googleマップの「マップに相談」は何が変わったのか? リアルタイム情報・通行止め・CarPlay・将来のSiri AIまで考えてみた

2026年8月7日、GoogleはGoogleマップの新しい会話型機能「マップに相談(Ask Maps)」を日本で提供開始すると発表しました。提供は数週間かけて順次行われ、日本語で利用できます。

私のGoogleマップにも、ようやく「マップに相談」が表示されるようになりました。

これは単に「GoogleマップにGeminiが付いた」というだけの機能ではないということです。

これまでGoogleマップで店を探す場合、

「近くのカフェ」
「駐車場あり」
「営業中」

といった比較的明確な条件で検索することが中心でした。

ところが「マップに相談」では、

「静か」
「高すぎない」
「一人でも利用しやすい」
「駐車しやすい」
「今あまり混雑していない」

といった、これまで検索条件として指定しにくかった曖昧な条件まで、普通の文章で相談できます。

さらに調べていくと、道路工事、事故、交通状況、店舗の混雑状況、公共交通機関の遅延などのリアルタイム情報にも対応し、過去の相談を再開する機能まで備えていることが分かりました。
Googleは日本向け発表でも、道路工事や事故、店舗の混雑、バス・電車・地下鉄の遅延を「マップに相談」から確認できると説明しています。

そこでこの記事では、「マップに相談」の機能紹介だけでなく、

「AIはいったい何を根拠に店を選んでいるのか」

「道路脇の看板で知った祭りの通行止めを覚えてもらえるのか

Wazeへ通行止めを投稿する方法は有効なのか」

「CarPlayでは何が変わるのか」

「将来SiriがAI化したらGoogleマップを会話で操作できるのか」

というところまで考えてみたいと思います。


注)本記事の内容は正確性を保証するものではない。

(2026年8月8日 追記)YouTube動画を追加しました。 https://youtu.be/5oGHjzhvkjc

目次

「マップに相談」は検索ではなく「条件をまとめて相談する」機能

Googleが公式に紹介している例の一つが、

「スマートフォンの充電が切れそう。長い列に並ばずにコーヒーが買えて、充電ができる場所を教えて」

という質問です。

従来なら、

充電できる店を検索
→ カフェかどうか確認
→ 営業時間を確認
→ 混雑状況を確認
→ クチコミを読む

という複数の操作が必要でした。

「マップに相談」は、このような複数条件を一度に解釈して候補を提示します。
Googleによると、3億以上の場所に関する情報と、5億人以上の投稿者コミュニティによるクチコミなどを分析して提案します。

さらに、一度回答を得て終わりではありません。

「もう少し近いところは?」
「この中で駐車しやすいところは?」
「一人でも入りやすい店に絞って」

というように、会話を続けながら条件を追加できます。

これが従来のGoogleマップ検索との大きな違いです。

「静か」「一人でも利用しやすい」は何を根拠に判断するのか

ここで気になったのが、

「静か」
「高すぎない」
「一人でも利用できる」
「駐車しやすい」

といった曖昧な条件です。

例えば「営業中」であれば営業時間を調べれば判断できます。

しかし「一人でも利用しやすい」という項目がGoogleマップのデータベースに明確なチェックボックスとして存在するとは限りません。

では、AIは何から判断しているのでしょうか。

GoogleはAsk Mapsについて、場所に関する最新情報や膨大なクチコミなどを分析すると説明しています。

そのため、条件によって情報の性質を分けて考えると分かりやすそうです。

条件判断材料として考えられる情報
静か「静か」「落ち着く」「騒がしい」などのクチコミ、店舗情報
高すぎない価格帯、メニュー価格、クチコミなど
一人でも利用しやすい「一人で利用」「カウンター席」などのクチコミや店舗情報
駐車しやすい駐車場情報、「広い」「狭い」「停めにくい」などのクチコミ
あまり混雑していないGoogleマップのリアルタイム混雑情報

この中でも「現在の混雑状況」は少し性格が違います。

Googleの「混雑する時間帯」やリアルタイムの訪問状況は、訪問データのパターンを基に生成され、現在の混雑度はリアルタイムで更新されます。

つまり、

「静か」

はクチコミなどからAIが意味を読み取る要素が大きいのに対して、

「今あまり混んでいない」

には、より直接的なリアルタイムデータが存在します。

「一人でも利用できる」で気になった店内写真

実際に「一人でも利用できる」という条件を指定して店を探したところ、提案された店舗の写真に、窓際に一人用と思われる席が並んでいる写真がありました。

これを見たとき、

「Geminiはこの写真まで見て、一人で利用しやすいと判断したのでは?」

とも思いました。

ただし、ここは現時点では断定できません。

Googleマップには大量の店舗写真がありますが、Ask Mapsが今回の回答を作る際に、

「写真を画像認識して一人用席と判断した」

のか、

「クチコミに一人で入りやすいと書かれていた」

のか、

「カウンター席など別の店舗情報を利用した」

のかは、利用者側からは分かりません。

これは今後、実際に「この店を一人で利用しやすいと判断した理由は?」と追加質問して検証してみたいところです。

リアルタイム情報はどこから来るのか

「マップに相談」の大きな特徴としてGoogleが強調しているのが、リアルタイム情報です。

日本向け発表では、

道路交通状況
道路工事
事故
店舗・レストランの混雑
バス・電車・地下鉄などの遅延

について質問できると説明されています。

これらはすべて同じ情報源から来ているわけではありません。

店舗の混雑

先ほど触れたように、Googleマップのリアルタイム訪問情報は、現在どの程度その場所が活発かを示すデータです。

通常の「混雑する時間帯」と、現在の混雑状況を比較できます。

そのため、

「今から行って、あまり混んでいない店」

という質問は、Ask Mapsと非常に相性が良いと思います。


pineroom

(ChatGPT-5.6 Solへの質問)

店の混雑について、下記のように回答されましたが、その場所が活発かどうかはどのようにして判断するのですか。

Googleマップのリアルタイム訪問情報は、現在どの程度その場所が活発かを示すデータです。

はい。ここでGoogleがいう「その場所が活発(active)」とは、店内の音やレジ件数などを直接測っているのではなく、その場所を訪れていると推定されるGoogleユーザーの動きを、集約・匿名化して推定した“訪問の多さ”を意味します。
Googleは、タイムライン(旧Location History)を有効にしているユーザーのデータを利用すると説明しています。(Google サポート)

ポイントは、次のようなイメージです。

① スマートフォンの位置履歴から「その店を訪れた」と推定する

② 多数のユーザーについて匿名・集約する

③ その店の普段の訪問パターンを作る

④ 今の訪問状況と普段の同じ時間帯を比較する

⑤「通常より混んでいる」「通常程度」などとして表示する

Googleは、通常の「混雑する時間帯」について、その店の週の中で最も混雑する時間帯を基準にし、他の曜日・時間帯の混雑度を相対的に表示すると説明しています。
例えば土曜16時がその店で最も混雑する時間なら、そこが事実上の基準になり、他の時間帯はそれと比較して表示されます。(blog.google)

一方、リアルタイム混雑情報(Live busyness)は、現在取得できている訪問データから「今この店がどれくらい活発か」を検出し、その店の通常の同時間帯と比較します。
Googleは、普段は空いている火曜日でもキャンペーンで客が倍増した場合、その急増をリアルタイムで検出できる例を紹介しています。(blog.google)

「スマホがそこにある=客」と単純に数えているわけではなさそうです

ここは重要です。

Googleは「Location History/Timelineのデータから訪問パターンを分析する」と説明していますが、

  • 何分滞在したら「訪問」と判定するのか
  • 店の前を歩いただけの人をどう除外するのか
  • 隣接店舗をどう区別するのか
  • GPS、Wi-Fi、基地局などをどのような比率で使うのか

といった訪問判定アルゴリズムの詳細までは公開していません
したがって「店舗の敷地内にいる端末数をそのまま人数として数えている」と考えるのは正確ではありません。

実際には、位置履歴などから「このユーザーはこの場所を訪問した可能性が高い」という訪問パターンを推定し、それを大量に集約している、と理解するのが適切です。
Googleは、十分な訪問データが集まらない店舗では混雑情報自体を表示しないとも説明しています。(Google サポート)

「80%混雑」と表示されても、店の席が80%埋まっている意味ではありません

これも注意したいところです。

Googleの混雑度は基本的に、その店自身のピーク時との相対比較です。(blog.google)

例えば、

  • 小さな喫茶店:ピーク時20人
  • 大型ショッピングセンター:ピーク時2,000人

だったとしても、それぞれ自分自身のピークを基準に表示されます。

ですから、

店A:混雑度80%
店B:混雑度60%

だからといって、

「店Aの方が実際の人数が多い」

とは限りません。

これは「その店としてはどの程度混んでいるか」を示す指標です。

「混雑している」と「静か」は別の情報

今回の記事の流れでは、ここもかなり重要だと思います。

Googleマップでは、

混雑
→ 実際の訪問データから推定

静か
→ 主にクチコミや店舗情報などから推定

という違いがあります。

例えば、

「現在あまり混んでいない」

という条件は比較的客観的なリアルタイムデータに基づけます。

一方、

「静かな店」

は、客が少なくてもBGMが大きかったり、会話が賑やかだったりするので、混雑データだけでは判断できません。

したがってAsk Mapsに、

「今あまり混雑しておらず、口コミでも静かだと言われている店」

と聞くのは、リアルタイム訪問データとクチコミ由来の情報を組み合わせる質問になります。

これは「マップに相談」の強みが非常に分かりやすく表れる使い方だと思います。

なお、Googleはプライバシー保護のため差分プライバシーを利用し、十分な匿名データがない場合には混雑情報を表示しないと説明しています。(blog.google)

道路工事・事故

Googleは、Google MapsとWazeの利用者コミュニティから、工事、車線閉鎖、事故、道路上の障害物などの情報を受け取っています。

2024年にはGoogle Mapsでも、MapsとWaze双方のコミュニティから届いた道路情報を表示する仕組みを発表しています。

さらに2026年のGoogle Maps大規模アップデートでは、道路工事や事故などのリアルタイム障害について、ドライバーコミュニティから毎日1,000万件以上の情報提供があると説明しています。

電車・バス・地下鉄

公共交通機関については、交通事業者がGoogleへ提供するRealtime Transit情報が重要になります。

GoogleのGTFS Realtimeでは、

遅延
運休
経路変更
サービスアラート
車両位置

などを継続的なフィードとして提供できます。

つまり「マップに相談」は、単にインターネット上のニュースを検索して答えているわけではありません。

Googleマップがもともと持っている「現実世界の状態」を示すデータを、Geminiとの会話を通して取り出しやすくしたもの、と考えた方が分かりやすそうです。

pineroom

(ChatGPT-5.6 Solへの質問)

GTFS Realtimeについて説明してください

GTFS Realtimeは、鉄道やバスの「現在の運行状況」を、Googleマップなどの経路検索サービスへ渡すための共通データ形式です。正式には General Transit Feed Specification Realtime といい、公共交通事業者が最新の到着・出発時刻、運行障害、車両位置などを配信するための仕様です。(GTFS)

今回の「マップに相談」との関係では、電車やバスの遅延についてGeminiがゼロから推測しているのではなく、Google Maps側がGTFS Realtimeなどで受け取った交通事業者のデータを利用できる、というところが重要です。(Google サポート)

通常のGTFSとGTFS Realtimeは別

まず、GTFSには大きく2種類あります。

GTFS Schedule(従来のGTFS)は、

  • 駅・バス停
  • 路線
  • 時刻表
  • 運行日
  • 運賃など

といった、基本的には「予定されている運行情報」を表します。
これに対してGTFS Realtimeは、その予定に対して現在何が起きているかを上書き・補足するデータです。(GTFS)

イメージすると、

GTFS Schedule
「このバスは17:30に到着予定」

に対して、

GTFS Realtime
「現在7分遅れなので17:37到着見込み」

と追加する関係です。

Google MapsへRealtime情報を提供する場合も、まずGoogle Maps上で正常に動作する静的GTFSフィードが必要です。(Google サポート)

過去の相談も覚えている

「マップに相談」は、履歴設定がオンになっていれば過去の会話を記憶し、中断したところから再開できます。

Google自身が、

「シアトル旅行に提案してくれたアクティビティを教えて」

のように質問すると、以前提案した内容を呼び出せると説明しています。

これは旅行計画などではかなり便利そうです。

例えば、

数か月前
「京都旅行で静かなホテルを探した」

旅行直前
「以前の京都旅行で提案してくれたホテルをもう一度見せて」

という使い方が考えられます。

ただし、「何年前の相談まで自然言語だけで確実に呼び出せるのか」というAsk Maps固有の最大期間は公表されていません。

Googleの検索サービス履歴については、履歴を選択した期間保存し、その後自動削除するか、無期限に保持する設定が用意されています。
現在、自動削除は3か月、18か月、36か月から選択でき、自動削除しない設定もあります。

したがって、

「会話を保存できる期間」

と、

「曖昧な言葉で何年前の会話まで正確に探し出せるか」

は分けて考えた方が良さそうです。

気になったのが「計画通行止め」

ここから話が少し変わります。

車を運転していると、道路脇に、

「○月○日、祭り開催のため○○道路は通行止め」

という看板が設置されていることがあります。

今回、実際に信号待ちをしているときに、このような立て看板を見つけました。

そこで思ったのが、

「Googleマップはこの計画通行止めを知っているのだろうか?」

という疑問です。

さらに、

「もし知らなければ『この道路は○日に通行止めだから覚えておいて』と「マップに相談」へ伝え、当日のルート設定で避けてもらえないか」

とも考えました。

「覚えていること」と「道路データになること」は別

ここは重要です。

Ask Mapsには過去の会話を記憶する機能があります。

しかし、

「8月○日は○○道路が祭りで通行止め」

と会話で教えたことと、

「Googleマップのナビゲーションシステムが、その道路を正式な閉鎖道路として扱う」

ことは別です。

Ask Mapsが会話の内容を後で思い出してくれる可能性はあります。

例えば当日に、

「以前伝えた祭りの通行止めを避けたルートを考えて」

と相談する使い方は考えられます。

しかし、その情報がGoogle Mapsの道路閉鎖データそのものへ登録されるとは限りません。

つまり、

AIの記憶

と、

ナビゲーション用道路データ

は分けて考える必要があります。

そこでWazeの「計画通行止め」が有効になる

このような場合に使えそうなのがWazeです。

WazeはGoogle傘下のナビゲーションサービスですが、ユーザーや地域コミュニティから道路情報を集める仕組みが非常に発達しています。

Waze公式ヘルプでは、現在発生している通行止めとは別に、planned closures(計画通行止め)について専用の報告方法を案内しています。

一般ユーザーが計画通行止めを知らせる場合、

waze-closures@google.com

へメールするか、地域のWazeコミュニティへ連絡するよう案内されています。

Wazeの道路閉鎖データには、

道路名
閉鎖区間
開始日時
終了日時
方向

などを登録できます。

Waze公式資料では、道路閉鎖が登録されると、その道路へ交通をルーティングしないと明記されています。

これは今回のような、

「数日後、祭りでこの区間が18時~22時まで通行止め」

という情報に非常に適しています。

看板を見つけたら何を記録するか

安全な場所に停車してから、可能であれば看板の写真を撮っておくと良いでしょう。

報告する際には、

道路名、閉鎖される区間、開始日時、終了日時、片方向か両方向か、通行止め理由

が分かると情報価値が高くなります。

Waze自身も、計画通行止めをメールで報告する際、閉鎖道路、開始・終了地点、開始・終了日時、方向などの情報を求めています。スクリーンショットや地図画像による提出方法も案内しています。

自治体、警察、祭り実行委員会などの公式Webページにも交通規制情報が掲載されていれば、その情報も添えるとさらに分かりやすいでしょう。

Wazeへ投稿した情報はそのまま信用されるのか

ここでも気になるのが、

「間違った情報を送ったらどうなるのか」

ということです。

現在発生中の通行止めをWazeアプリから報告すると、その報告はまず自分のルートに反映されます。

一方、地図上で他の利用者にも通行止めとして表示されるには、他のWaze利用者から同じ閉鎖報告が集まる仕組みがあります。

また、通行できるようになった道路をWaze利用者が再び走り始めると、閉鎖情報は解除されていきます。

計画通行止めについては、メールで送るとWaze側のチームが関連する閉鎖情報を地図へ追加する仕組みになっています。

したがって、一般ユーザーが好き勝手に将来の道路閉鎖を確定登録できる仕組みではありません。

今回のような立て看板の写真は、日時や区間を確認する資料として有効でしょう。

「マップに相談」が日本に来たことでCarPlayは変わったのか

ここまで調べると、当然、

「ではCarPlayでGoogleマップを使っている場合はどうなるのか」

という疑問が出てきます。

2026年8月時点では、ここには明確な制限があります。

iPhone上のGoogle Mapsでは、ナビゲーション中にGeminiを使い、

「目的地近くで○○を探して」
「結果を絞り込んで」
「経由地を追加して」
「この店は何時まで?」

といった操作が可能です。

しかしGoogleは現在、公式ヘルプでGeminiはCarPlayでは利用できないと明記しています。

CarPlay版Google Mapsでは、現在も、目的地検索、経由地追加、音声検索、事故や工事などの報告といった従来のナビゲーション機能が中心です。

したがって、今回日本でAsk Mapsが始まったからといって、

CarPlay上で、

「この先30分以内で、駐車しやすく、一人でも入りやすく、現在空いている店を探して」

とGeminiと会話できるようになったわけではありません。

現在は、

iPhoneの「マップに相談」で候補を決める
→ Googleマップでナビを開始する
→ CarPlayでそのナビを使う

という使い方になります。

ただし、Googleは2026年3月に発表した別機能「Immersive Navigation」について、iOS・Androidだけでなく、CarPlay、Android Auto、Google built-in搭載車にも順次展開すると発表しています。
Ask MapsとImmersive Navigationは同時期に発表されましたが、別の機能です。

将来Siri AIがCarPlayに入ると状況が変わる可能性

ここから先は「現在できること」ではなく、将来の可能性についてです。

Appleは2026年に新しい「Siri AI」を発表しました。

Siri AIは、より自然な会話、個人コンテキストの理解、広い世界知識、画面上の内容の理解などを特徴としています。

また、AppleとGoogleは2026年1月、次世代のApple Foundation Modelsについて、GoogleのGeminiモデルとクラウド技術を基盤にする複数年の協力を発表しています。

ただし注意が必要です。

Siri AIがGeminiを基盤の一つとして利用することと、Google MapsのAsk Mapsを直接利用できることは同じではありません。

ここは分けて考える必要があります。

第三者アプリをSiri AIから操作する仕組みはすでにある

Appleが重要視しているのが「App Intents」です。

Appleは、App Intentsを使うことで、第三者アプリが、

アプリ内の情報をSiriに理解させる
アプリの操作をSiriから実行する
画面上の内容をSiriに理解させる
複数アプリをまたいだ操作を行う

ための仕組みを提供しています。

Appleは、Siriがアプリ内の「意味のある情報」を理解し、App Intentsを使ってアプリのアクションを実行し、さらにオンスクリーンコンテキストを理解できると説明しています。

ここから考えると、将来、GoogleがGoogle Maps側で十分なApp Intents連携を実装すれば、

「Siri、この先で昼食を食べられるところを探して」

「駐車しやすく、一人でも入りやすいところにして」

「2番目をGoogleマップの経由地に追加して」

という操作が可能になることは技術的には十分考えられます。

ただし、GoogleがどのGoogle Maps操作をSiri AIへ公開するかは、現時点では発表されていません。

これは「実現可能性がある」という段階です。

AppleマップとGoogleマップではSiri AIの扱いに差が出そう

さらに考えてみると、将来Siri AIがCarPlayで本格的に使われるようになった場合、

AppleマップとGoogleマップではSiri AIとの連携の深さに差が出る可能性があります。

Appleマップ

Appleマップの場合、

iOS
Siri AI
Apple Intelligence
CarPlay
Appleマップ

をすべてAppleが開発しています。

そのため、

「今表示しているルート」
「目的地」
「経由地」
「画面上に表示している場所」

などをSiri AIと深く統合しやすいでしょう。

Googleマップ

Googleマップは第三者アプリなので、

Siri AI

App Intentsなど

Google Maps

という連携になります。

AppleはApp Intentsによって第三者アプリの情報やアクションをSiriへ提供できる仕組みを用意しているため、Google Mapsでもかなり高度な連携が可能になる余地があります。

ただし、その深さはGoogleがどこまで対応するかに左右されます。

一方、Googleマップ側には、

膨大な場所情報
クチコミ
リアルタイム混雑情報
交通情報
Ask Maps

という独自の強みがあります。

したがって将来、

Siri AIとの一体感ではAppleマップ

店・場所・クチコミ・混雑などの探索ではGoogleマップ

という違いが出てくる可能性があります。

もちろん、これは2026年8月時点では将来予測です。

GoogleがCarPlay版Gemini/Ask Mapsをどのように展開するか、またGoogle MapsがSiri AI向けApp Intentsをどこまで実装するかによって状況は大きく変わります。

「マップに相談」で一番大きく変わったのは地図の使い方かもしれない

今回「マップに相談」を調べ始めたときは、

「GoogleマップにGeminiが追加された」

程度に考えていました。

しかし詳しく調べると、もう少し大きな変化のように感じます。

従来のGoogleマップは、

場所を知っていて検索する

あるいは、

条件を指定して場所を探す

ための地図でした。

Ask Mapsでは、

やりたいことを相談すると、地図側が場所やルートを考える

方向へ変わり始めています。

例えば、

「今日、一人で昼食を食べたい。駐車しやすく、あまり高くなく、今混んでいない店」

という質問は、従来なら複数の検索とクチコミ確認が必要でした。

これを自然な一文として処理できるのが「マップに相談」です。

さらに、

「この先で事故はある?」
「道路工事は?」
「電車は遅れている?」
「以前相談した旅行プランをもう一度見せて」

という質問まで同じ会話の延長として扱えます。
Googleは、日本向けAsk Mapsで過去会話の再開とリアルタイム交通・混雑・公共交通情報への対応を正式に案内しています。

一方、AIだけを信用しすぎないことも重要

特に道路情報では注意が必要です。

Googleマップが道路脇の看板で告知されている地域の祭りや、小規模なイベントによる計画通行止めを必ず把握しているとは限りません。

Ask Mapsへ、

「この道路は来週通行止めになるから覚えておいて」

と伝えることと、

ナビゲーションの正式な道路閉鎖データに反映されることも別です。

重要な移動であれば、

Google Maps/Ask Maps
Waze
自治体
警察
道路管理者

など複数の情報を確認した方が安全でしょう。

その一方で、自分が地域の交通規制情報を発見した場合には、Wazeのplanned closureのような仕組みを通じて情報を提供することで、他のドライバーの役に立てる可能性もあります。
Wazeは、計画イベントによる道路閉鎖を正式に扱う仕組みを用意しています。

今後注目したいポイント

2026年8月現在、私が特に注目したいのは、

Google MapsのGemini/Ask MapsがいつCarPlayへ本格対応するのか

という点です。

現在、iPhone上のGoogle MapsではGeminiを使えますが、GoogleはCarPlayではまだ利用できないと案内しています。

もう一つは、

Google MapsがSiri AIとの連携をどこまで実装するのか

です。

AppleはApp IntentsをSiri AIと第三者アプリを結ぶ基盤として位置付けています。

もし将来、

Siri AI
+ Google Maps
+ Ask Maps
+ CarPlay

がうまくつながれば、運転中に画面をほとんど操作することなく、

「この先30分以内で、一人で入りやすく、駐車しやすく、今あまり混んでいない店」

と相談し、

「そこを経由地にして」

だけでナビゲーションを変更できる世界が見えてきます。

まだ実現していない部分も多いですが、今回日本で「マップに相談」が始まったことで、その将来像が以前よりかなり具体的に想像できるようになりました。

Googleマップは、単なる「地図を見るアプリ」から、

現実世界についてAIに相談し、その回答を実際の移動につなげるアプリ

へ変わり始めているのかもしれません。


まとめ

今回「マップに相談」を実際に使い始めたことをきっかけに調べてみると、単なる店探しの機能以上のものが見えてきました。

「静か」「一人でも入りやすい」「駐車しやすい」といった曖昧な条件を、Googleマップの場所情報やクチコミなどからGeminiが読み解く。

店舗の混雑、道路工事、事故、公共交通機関の遅延など、リアルタイムの情報も会話で確認する。

過去の相談を再開し、以前立てた旅行計画を続きから考える。

さらに道路脇で見つけた計画通行止めのようなローカル情報については、Ask Mapsの「記憶」と道路データを区別し、必要であればWazeの計画通行止め情報として提供する。

そして将来的には、Siri AI、Google Maps、Ask Maps、CarPlayがどのようにつながっていくのか。

今回の「マップに相談」の日本提供開始は、Googleマップの検索方法が変わっただけではなく、AIと会話しながら現実世界を移動する時代への入り口なのかもしれません。

現在は、まだ、CarPlay使用中に、Siri AIに柔軟な相談はできないが、車に乗る前に、事前にGoogleマップに相談し、行き先を設定した状態で車に乗れば、そのナビ案内を実行してくれるのでかなり便利にはなる。

今回の調査で、比較的リアルタイムな情報と、これまでの実績に基づいた予測情報があり、Googleマップへの質問・要望の内容によっては、それらの情報の両方に基づいて回答されることがあることが分かった。
Googleマップの回答が、実際と違う(思っていたのと違う)場合、リアルタイムな情報に基づいた回答か、これまでの実績に基づいた予測情報に基づいた回答かが関係する可能性もありそうだ。

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