Diaの活用(みちびき編)

下記の記事で、みちびき(準天頂衛星システム)の災害・危機管理通報サービスから提供される災害等の情報について紹介した。その情報には台風の位置情報も含まれることがあるが、緯度と経度の文字情報であり、直感的に位置が分かりにくいという課題があった。

今回は、ブラウザDiaに、その災害・危機管理通報サービスから提供される災害等の情報を表示させ、その情報に含まれる位置情報(緯度・経度)に基づいて、台風の具体的な位置を教えてもらえるかを試した。

災害・危機管理通報サービスの情報を入手・表示する構成は下図の通り。
QZSS衛星から送信された情報を、ESPr Developer C6用GPSシールドで受信し、ESPr Developer C6がその信号を処理する。
ESPr Developer C6はWebサーバーとなるように構成しており宅内ネットワークに接続している。PCでそのWebサーバーにアクセスすると、災害・危機管理通報サービスから提供される災害等の情報がブラウザに表示される。

そのサービスから提供された情報をDiaに表示させた状態を下図に示す。
DCレポートの最新10件の情報を表示するように構成しているが、その中に台風に関するレポートも含まれており、そのレポートには、台風の緯度・経度の情報が含まれている。

「現在時刻」は、UTC時刻(協定世界時)であり、日本時刻(JST)より9時間遅い時刻である。

以下、チャットウィンドウを開き、Diaに質問した内容を紹介する。

最新のDCレポートに記載されている緯度・経度の情報から、具体的な位置を教えてください

DCレポートの最新10件には、時刻のみ(例:01:08:03.000、01:07:11.000など)が記載されており、緯度・経度の情報は表示されていません。そのため、具体的な位置を特定することはできません。
もし緯度・経度の情報が必要な場合は、該当するデータが表示されている箇所や画面を教えていただくか、緯度・経度が記載されたレポートを提示してください。

例えば、緯度・経度の情報は、「緯度・経度:北緯21度50分0秒 東経145度30分0秒」と表現されており、DCレポートに複数箇所含まれています。


ご指摘ありがとうございます。しかし、現時点で表示されているDCレポート(最新10件)には、時刻のみが記載されており、「緯度・経度:北緯○度○分○秒 東経○度○分○秒」といった緯度・経度の情報は含まれていません。
ページ内で緯度・経度が記載されているのは、主に台風情報の部分です。たとえば:
北緯21度50分0秒 東経145度30分0秒
北緯31度55分0秒 東経152度30分0秒
北緯17度5分0秒 東経143度20分0秒

これらは台風の位置を示しており、GNSSのDCレポートの位置情報ではありません。

もしDCレポート内に緯度・経度が含まれている別の画面やデータがある場合、その内容を貼り付けていただければ、具体的な位置(地名や地図上の場所)をお伝えできます。

では、それらの情報により、台風の位置を教えてください。

台風の位置は北西太平洋上の複数地点です。
ページ内の台風情報に記載されている緯度・経度から、台風の位置は以下の通りです。

台風9号の位置(各時刻の予報・実況)
7月25日9時0分(実況)
北緯17度5分0秒 東経143度20分0秒
→ マリアナ諸島の北西、太平洋上
7月27日9時0分(48時間後の予報)
北緯21度50分0秒 東経145度30分0秒
→ 小笠原諸島の南東、太平洋上
7月29日3時0分(93時間後の予報)
北緯28度30分0秒 東経147度5分0秒
→ 小笠原諸島の東方、太平洋上
7月30日3時0分(117時間後の予報)
北緯30度20分0秒 東経149度55分0秒
→ 日本本土の南東、太平洋上
7月30日9時0分(120時間後の予報)
北緯31度55分0秒 東経152度30分0秒
→ 日本本土の南東、太平洋上

台風8号の位置(予報)
7月28日9時0分(72時間後の予報)
北緯27度25分0秒 東経126度40分0秒
→ 沖縄本島の北西、東シナ海付近

これらの位置はすべて海上で、日本列島の南~南東の太平洋上に分布しています。各緯度・経度は、地図アプリやGoogleマップで入力すると、より正確な位置を確認できます。

Googleマップへのリンクは作れますか

(補足)
リンクは作成されたが個人情報を含む可能性があるため削除済。

はい、Googleマップで緯度・経度を直接指定して位置を表示するリンクを作成できます。以下に、台風情報に記載されている主な座標のGoogleマップリンクを示します。

台風9
北緯17度5分0秒 東経143度20分0秒
Googleマップで表示
北緯21度50分0秒 東経145度30分0秒
Googleマップで表示
北緯28度30分0秒 東経147度5分0秒
Googleマップで表示
北緯30度20分0秒 東経149度55分0秒
Googleマップで表示
北緯31度55分0秒 東経152度30分0秒
Googleマップで表示

台風8
北緯27度25分0秒 東経126度40分0秒
Googleマップで表示

各リンクをクリックすると、該当する座標がGoogleマップ上で表示されます。

Googleマップへのリンクを別タブで開くと、Googleマップにその位置が表示された。ただし、海上にポツンと表示されたので、マップの縮尺を調整しないと、陸地との位置関係が掴めない。
ちなみに、下記のマップの「7QV8CM88+MM」はPlus Codesと呼ばれ、住所代わりの簡略なコードとして使用できるもので、通常の住所だけでは絞り込めない具体的な地点の指定にも役立つものとのこと。たとえば同じ建物に入口が複数ある場合に、Plus Code を使えば入口も含めて指定できるので、配達の受け取り場所の指定、緊急通報や公共サービスを利用する際の場所の連絡に利用できるとのこと。

「DCレポートに緯度・経度の情報が含まれていた場合、DCレポートの内容から何の位置かを判断し、その位置を回答するとともに、Googleマップへのリンクを作ってください。」という内容のカスタムスキルを作って、「/ichi」という名前で登録したいと思います。この内容でいいですか。改良すべき点があれば教えてください。

とても分かりやすい内容ですが、より明確かつ実用的にするために、以下の点を改良するとさらに良くなります。

改良ポイント

「何の位置か」の判断基準を明記
 例:「緯度・経度が示す位置が基地局、観測点、移動体など、文脈から特定できる場合はその旨を明記する」
緯度・経度の書式統一
 例:「緯度・経度が度分秒表記の場合は、Googleマップ用に10進数へ自動変換する」
Googleマップリンクの形式を明記
 例:「Googleマップのリンクは https://www.google.com/maps?q=緯度,経度 の形式で作成する」
複数地点がある場合の対応
 例:「複数の緯度・経度が含まれている場合は、それぞれについて同様に回答する」


改良例(スキル説明文)

DCレポートに緯度・経度の情報が含まれていた場合、
緯度・経度が示す位置が何か(例:基地局、観測点、移動体など)を文脈から判断し、その内容を説明する。
緯度・経度が度分秒表記の場合は10進数に変換し、
Googleマップで表示できるリンク(https://www.google.com/maps?q=緯度,経度)を作成して提示する。
複数の緯度・経度が含まれている場合は、それぞれについて同様に回答する。


このようにすると、より具体的で実用的なスキルになります。
各リンクをクリックすると、該当する座標がGoogleマップ上で表示されます。

台風に関する情報なら、天気・気象関係のスマホアプリの方が手軽に詳細な情報が得られるわけだが、Diaでも、緯度・経度の情報の説明、マップリンクの作成ができることを紹介するために本記事を作成した。

Diaへの質問で、「緯度・経度の情報から、具体的な位置を教えてください」と質問し、「台風の位置」と指定しなかったため、期待した回答が得られなかった。(台風の位置と解釈してくれるとの無意識な期待があった)

Diaから提案されたスキル説明文を、「台風の位置」に限定するように修正してカスタムスキル/ichiに登録し、そのスキルを実行しても、「DCレポートには台風の位置(緯度・経度)の情報は含まれていませんでした。」と回答された。
その後、下記のようにスキル説明文を修正し、実行したところ、回答には、以前として、「DCレポートには台風の位置(緯度・経度)の情報は含まれていませんでした。」という文言が含まれていたが、「台風の位置情報(緯度・経度)は災害通報(台風)(発表)の各セクションに記載されています。」という文言も含まれており、台風の位置情報、Google Mapへのリンクが表示された。

スキル説明文

DCレポートに台風の位置(緯度・経度)の情報が含まれていた場合、
台風の位置を具体的に説明する。
その後、台風の位置のリンク(Googleマップで表示できるリンク)を作成して提示する。
複数の台風の情報が含まれている場合は、それぞれについて同様に回答する。​​​

実行画面

Diaの回答

DCレポートには台風の位置(緯度・経度)の情報は含まれていませんでした。

台風の位置情報(緯度・経度)は「災危通報(台風)(発表)」の各セクションに記載されています。以下に、各台風の位置を具体的に説明し、Googleマップで表示できるリンクを作成します。

台風8号の位置情報

1. 48時間後(73090分予報)

  • 緯度・経度:北緯29度35分0秒 東経121度30分0秒
  • 位置の説明:日本の南東、東シナ海付近です。
  • Googleマップで表示

(以下省略)

「DCレポート」と、『「災危通報(台風)(発表)」の各セクション』とは別物と認識されていることが分かった。その辺に注意してカスタムスキルの説明文を設定する必要がある。正確に認識させるのは、結構、手間である。

DCレポートの各セクションで、Diaは時刻情報を勘違いして、「48時間後(73090分予報)」というような回答を行っている。この表示を各セクションのタイトルのように扱っているが、このタイトルは、例えば、各セクションの「発表時刻」に置き換える必要がある。

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